子供の頃、父がNHK の「小さな旅」という番組をよく見ていまして。
日曜日の朝に放送している、昔からある番組です。
私も一緒に見てたので、この番組のテーマ曲にはとってもなじみがありました。
ある日、たぶん小学校4年生か5年生くらいだったと思うのですが、5歳の頃からエレクトーンを習っていた私は、父に「小さな旅」のテーマソングを弾きたいと言ってみたことがあります。
普段、エレクトーンのレッスンでは新しく練習する曲は先生が持ってきてくれます。が、その中に「小さな旅」のテーマ曲はなくて。
「弾きたいけどどうすればいいかわかんない!」と父に相談すると、「じゃあ、手紙を書きなさい」と言われました。
言われるがままにNHKに手紙を書いた私。
確か、「番組を毎回欠かさず見ています」とか「エレクトーンで弾きたいけど、楽譜がないからゆずってほしい」とか、子供ながらにどうすれば楽譜をもらえるか、けっこう真剣に考えた覚えがあります。
そして数日後、NHKからお返事がきました。
中にはピアノの楽譜と、たぶんプロデューサーさんからと思われる短いお手紙でした。
「普段、楽譜を送るということはしていないけど、今回は小さな番組のファンからの声にお答えして楽譜を送ります。残念ながらエレクトーンの楽譜はなくて、ピアノの楽譜だけど、これでぜひ練習してください」
っていう感じの内容でした。
今日なぜか突然この話を思い出して、「小さな旅」のHPを見てみたら、「テーマ曲の楽譜をみなさまに差し上げています」という案内を見つけました。「小さな旅」楽譜係という宛先も。
きっと、「この曲が好きです!」っていう当時のわたしみたいな人、多かったんだろうな〜^^
しかし。子供がNHK に手紙を出して返事が戻ってくるかどうかなんて、なかなか微妙なラインだと思うんです。
当時、父がどう考えて私に手紙を書かせたのか聞いてみたい。といっても既に他界してしまったので聞くことはできないのですが、こういう小さな体験をさせてくれたおかげで今の自分の中に「とりあえずやってみる」っていう実行力をつけてもらったのかな〜なんて、このテーマ曲を聞きながらふと思ったのでした。