デンマークでマンションを借りる事になり、いろいろと物件を探す日々が続いていました。もちろんオンラインサービスを使ったり、直接不動産会社に行ったり、内覧をしたりしてやっと素敵な部屋を見つけられたのですが、日本とはだいぶ違いがあるな〜と思った点を記録しておくです。
(1)不動産会社からの紹介は期待できない
日本で賃貸の部屋を探そうと思ったら、街中にある不動産会社に出向いて自分の希望や予算に見合った物件を紹介してもらうのが一般的ですよね。そしてその紹介してもらった物件は、不動産会社の営業マンと一緒に見学に行ったり。車で案内してくれる、なんてこともありますよね。
デンマークではそれが一切ありませんでした。そもそも街中の不動産会社は主に売買にしか携わらないらしく、道を歩いていて目に入ってくるのも売買の案内ばかり。賃貸に関しては、日本のような手取り足取りのサービスはまず期待できないみたいです。
その代わり、オンラインのサービスで自分の希望を設定しておくと物件を紹介してくれるサイトがあるのですが、物件の所有者にコンタクトを取るためには有料会員になる必要があります。利用料金が月額6,000円ほどと、かなり本気で物件を探す段階でないとなかなか気軽に使えるものでもないかなーという感じでした。
デンマーク人の中でよくあるのは、家族や知人友人のコネで物件を見つけるパターンが多いみたいです。
(2)営業マンによる妙な駆け引きが一切ない。その代わり、こちらから聞かないと何も進まない
私たちはコネを特に持っていなかったのでオンラインサービスを使って気になる物件を探し、コンタクトを取り内覧しました。
日本ではこのいくつかの候補となる物件を内覧した段階までくると、営業マンからの駆け引きがあったりしますよね。気に行った物件に関して、いついつまでにお返事をもらえれば大丈夫ですけどそれ以降は他の人と先に契約が決まってしまう可能性がありますよ、、、的な。微妙に周辺情報を出しつつ契約にたどり着ける駆け引き。もちろん不動産会社の営業マンの方にしてみれば、ここ一番勝負のタイミングだと思うのです。
が、デンマークではこれも一切ありませんでした。
内覧が終わったら、案内してくれた会社の人はその部屋の出口の前で笑顔で「Hej hej!(=じゃあね!)」と去っていきました。4件見たのですが、最終的に契約を決めたところ以外の3件は全てそうだったし。契約を決めたときの女性も、私たちが「今日契約したい」って言わなかったらやっぱり「Hej hej!」で終わりだったと思います。
それから、これから内覧したい部屋の間取り図を見せてもらっていた時に、内覧は別の日だったのでひとまずその日はその間取り図だけもらって帰り検討しようとしたところ、「ごめん、その間取り図1枚しかないからあげられないのよね」ということもありました。 オフィスにコピー機っぽいものあるのになーと思いつつ、やっぱりあくまでも積極的な営業はしないみたいです。
というわけで、日本の「微妙に周辺情報を出しつつ」どころか、こちらから状況を聞かないとなかなか話が進まなかったりという感じでした。
(3)申し込みはA4白紙に名前と住所と国民番号を書く
これはもしかしたらデンマーク全体ではないかもしれないのですが、私たちが「この部屋に決めます!!」と宣言した後、担当の女性が「Super!」と言って笑顔で手渡してくれたのはA4の白紙でした。
「ここに、名前と住所とCPR番号(国民番号)を書いてね」と。
日本だと、細かい細かーい情報を記入する申し込み用紙がありますよね。しかもカーボン紙が3枚くらい重なっているような。そういうものに慣れている私としては、この白紙に書くっていうのがかなりの驚きでした。
(4)賃料は毎年高くなっていく
晴れてお気に入りの部屋を決定後、契約書を確認したところ。部屋の賃料は、毎年少しずつ高くなっていくようです。これも最初に聞いたときは驚いたのですが、デンマークではどうやら普通みたい。物件によって上昇率には差があるし、比較的新しい物件に多いことのようです。
(5)退出するときは、3ヶ月前には連絡
これも契約書に書いてあることですが、退出するときのルールは、3ヶ月前に連絡が普通みたいです。
日本だと1ヶ月前ですよね?3ヶ月前ってだいぶ早い。
そして3ヶ月前に退出の連絡をした後は、次にその部屋を借りたい人が内覧に訪れることになります。
私たちが内覧した部屋のうち2件は普通にまだ人が住んでいる状態でした。1件は留守のお宅、もう1件は現在住んでいる人が普通に家にいる状態。留守のお宅に関しては、もちろん担当の人が予め居住者に都合を確認しているわけですが、留守中に普通に入った事もびっくり。日本でもあることなんですかね?このあたり、私が今まで日本で内覧したのは全て前に住んでいた人が引越し後現状回復した後の状態だったのでけっこう驚きでした。
(6)契約終了日の10日前には退出する必要があり、その現状回復のための10日分も家賃は発生する
日本だと、「引越しします(=退出します)」と連絡をすると、大抵契約終了日は引越しの日とイコールになりますよね?
ここにも違いがありました。デンマークでは、退出は契約終了日の10日前までにする必要があるそうで、その10日の間に現状回復がされるそう。そしてその現状回復をする10日間についても、家賃は発生するそうです。
これも最初に聞いたときは「えーっ!」と思ったのですが、デンマークではけっこう普通のルールみたい。
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というわけで、マンションを借りるときの日本とデンマークの違いについてでした。
細かいところでいろんな違いがあるんだなあと、発見する度に興味深いことばかりです。