2010-03-04

沖縄のダイビング、世界との壁

かつてのダイビングインスタラクターとして^^;、そして今は純粋にダイバーとして、沖縄の海はとてもすばらしいと思っています。

慶良間の珊瑚の海や、宮古島の地形を楽しむダイビングなどなど、今考えるだけでもわくわくしてしまいます!

そしてこの沖縄のダイビング、日本に観光で訪れる外国人にももっと知ってもらって実際に経験してもらい、世界的にもっと有名になってほしいと常々思っていました^^

最近、国内で比較的大きくダイビングショップを展開されている方とお話をする機会があり、沖縄の訪日外国人向けプロモーション事情を教えていただきました。

沖縄は自治体としてはかなりインバウンドプロモーションに力を入れている印象がありますので、私はてっきりダイビング業界の方も外国人へのプロモーションには積極的かな、と予想していたのですが、実際にはちょっと違っているようです。

お話の中で見えてきた、沖縄ダイビング業界でインバウンドプロモーションの現実に立ちはだかっている壁は以下2点のようです。

人材不足(言葉の壁)

ここでいう人材不足は、外国語でダイビングサービスを提供できるインストラクターがほとんどいない、ということでした。
ダイビングはもちろん安全第一ですので、しっかりとした説明やケアのためにも、コミュニケーションとしての言葉はけっこう重要です。
海の中に入ってしまえばもちろんジェスチャーがあるわけですが、その前のオリエンテーションでは全てジェスチャーというわけにもいかないでよね。
その他、実際にサービスを提供する前段階(予約や外国語でのサービス紹介など)でも、やはり言葉の壁が大きいようです。

試しに、Google.co.jpで「沖縄 ダイビングショップ」と検索して上位に出てくる9店のサイトを見てみたのですが、外国語で情報を発信されているお店は2件だけでした。
(言語は英語と簡体字)


移動問題(インフラ整備)

またもうひとつの壁が、移動問題です。
沖縄(特に本島)へ旅行された方は恐らくレンタカーを利用した経験が多いんじゃないかと思います。
実際、沖縄県の統計を見ても、観光客のレンタカー利用は年々増加傾向のようです。

でも、これって日本人観光客だけの話なんですね。
訪日外国人向けにもレンタカーの準備は進められていて、例えば台湾や香港国籍の方は、自国の免許があれば国際免許がなくてもレンタカーを利用することができます。実際にサービスを提供されているところもありますが、沖縄を訪れる外国人観光客にとってまだあまりメジャーな移動手段ではないようです。

レンタカーがなくてダイビングサービスを提供しようとすると、送迎のサービスが必須になってきます。特に観光で来ている外国人であれば、土地勘がないということからも、送迎は必要そうです。

そうなると、例えば今まで日本人向けで送迎は特にせず、レンタカーで現地集合してくださいね、というサービスを提供してきたお店では、新たにサービスのフローが増えることになります。
送迎にあたってコストもかかりますので、「では、料金を別立てにするのか」という問題もありそうです。

移動問題の壁は、どちらかというとインフラ整備なので、ダイビングに関わらず、沖縄で訪日外国人向けのサービスがもっと充実してくると解決されていくかもしれません。


沖縄県の統計発表によると、2008年に沖縄を訪れた外国人観光客は過去最高で23万7千人。月間約19,750人です。

去年(2009年)は全体的に訪日客が減少したので、これより少なかったと思いますが、日本を訪れる訪日外国人のうち、沖縄を訪れるのは毎年だいたい2.2~2.3%です。(JNTO国際観光白書2009年版より)

これに対して、沖縄を訪れる日本人観光客は同じ2008年で604万人。月間約50万人で、訪沖外国人数の約25倍になります。

この数値比較を見ると、たぶん今回挙げた2つの壁って、沖縄での訪日外国人マーケットがまだまだ小さいことがかなり影響していそうです。
月間19,750人のうち、ダイビングをしたい人となるとさらにマーケットはニッチになりますもんね。

まずはマーケットが大きくならないと、インフラ整備も対応できる人材も確保するのは難しそうです。

これは沖縄のダイビング産業に限ったことではなく、日本全体のインバウンドマーケットで同じことがいえるのですが、この「まずはマーケットを大きく」を実現するためにも、まずはネットでの情報発信をはじめてほしいな、と思います。