2011-04-07

インバウンドについて4年半前の考え方と、今

このブログ、「和(なごみ)Station」というタイトルなんですけど、実は前身がありまして。
インバウンドに関わる仕事をはじめる少し前、今から4年半前の2006年の夏から、インバウンドマーケティングについて考えるブログを立ち上げたのが、最初でした。

外国人(ゲスト)に日本へ来て欲しい! とはどういうことか。ゲストは何を求めて日本にくるのか。日本人(ホスト)はゲストに何をするべきか。どうしたら、日本とその他の国の人々の間に「和」がうまれるのか。

そんなことをいろいろと考えていて、1人で情報収集を始めてました。そして自分の中で噛み砕いたあとで問題意識がいろいろと出てきて、それを発信したくて、ブログをはじめました。
「和」には日本を表す意味もあるし、うまく混ざること、仲良くすることという意味もあって、インバウンドの姿とも合致するなあと思っていて。そして「Station」には、情報が到着して、また発信する みたいなイメージをこめてあります。

そんなわけで、今とはだいぶ性格が違うブログだったわけですが、今日たまたま、すごく久しぶりに過去の自分のエントリーを読みました。

それでわかってしまったのが、4年半前に感じていたいろんな問題意識は、私のなかで今もたいして変わっていないということ。

例えば、2006年9月23日の「日本橋はJapan Brand発信の地」というエントリーがあります。
「日本橋地域の街づくり提言、Japan Brand発信の地として今後、具体化へ 」というニュースを受けての話でした。

そこでの結論は、こんな感じ。
国による街づくりに平行して、もしくは先回りしてでも、
飲食店や老舗といわれるお店ひとつひとつが意識的に
変わっていかないと、ゲストに楽しんでもらうことはできないと
思います。

はじめは、メニューを説明する英語表記のボード
ひとつだけでもいいはず。

伝統的な日本食 

-Sushi
-Tenpura
-Unagi

などなど、日本橋には食べ物屋さんも多いことですし、
意識しだいでは実現可能性大!!
だと思います。

ふむ。これって、今ちょうどまさに仕事でも進めていることなんだけど、世の中的にはまだまだはじまったばかり。
本当に一部の飲食店が、すこーーーしずつ、進めている感じです。
そういう意味では、「1つ1つが街づくりの一環として意識的に変わっていかないと、ゲストに楽しんでもらうことはできない」って今でも言えることだな〜と思います。

それから、2006年8月27日の「インバウンドの受け入れ態勢」というエントリー。

ここでは、国内で英語をしゃべれるようになりたい人って多いんだよねー、という数値があって、でも実際にその会話力をゲストに対して使っている数は圧倒的に少ない。
その意味で、ビジットジャパンキャンペーン(VJC)は日本人全員が意識するべきで、VJCに必要なのは大衆の意識とやる気だって書いてました。
これも、今通訳案内士さんの仕事がまだまだ少ないという話につながるのかなと思ったり。(ボランティアで、っていうのはちょっと違うけども。)

・VJCに必要なのは、大衆の意識とやる気

今、VJCを知らない日本人を「大衆」と呼ぶのはちょっと語弊があるかもしれませんが、あえてそう表現するとしたら、

VJCに必要なのは、大衆の意識とやる気

だと思います。

国で進める「日本にくる外国人観光客を増やそう!」という目標を意識すること。
そして、個々人の「英語をしゃべりたい」という目標を大衆一人ひとりがマッチングさせること。

例えボランティアで無償の行為であったとしても、英会話学校に支払う対価と時間を考えれば、個々人にとってもマイナスにはならないはずです。

インバウンドに関わることを生活の基盤にはしないまでも、ボランティアでゲストに接する人が増えたとき、日本は「観光立国」になるのでは?と思います。

これは、妹の彼が進めているABCloopが、今後この部分でも大きな立ち位置を担ってくれるといいな〜と個人的にとっても期待してたりします(^〜^)

他にもいろいろとあったんですが、今の仕事に数年携わらせてもらっていろんなお話を聞いたり、実際の動きを目の当たりにする機会も多くあったんだけど、結局4年半前の問題意識と、今自分の中にある、「もっとこうだったらいいのにね〜」という理想像というか、興味をそそられるものというか、そういうのはほとんど変わっていないんだな〜と思ったのでした。

そして最後に、これはまさしく今リアルタイムで興味を持ってるフードツーリズムについても以前発信してたみたいなので、改めて書き留めておきます♪

2006年8月26日 ホスピタリティ・マーケティング

そもそも、私が「観光」について真剣に考えるきっかけとなったのが
このホスピタリティ・マーケティングという考え方に出会ったことでした。
そして、経済価値としてサービスよりも上方に位置する、経験価値。

まさに、観光分野では無視できない基本となる考え方です。

日本人の旅行は今、とってもたくさんの形があります。
「ただ外国に行くこと」
はすでに非日常から日常へ近づいていると言ってもいいほどです。
海外旅行が「すごいこと」ではなくなったので

SIT旅行(スペシャル・インタレスト・ツアー、一般観光ではないテーマを絞った旅行=テーマ旅行)

が現在日本人の流行のようです。

旅行の3つの基本=足・あご・枕 (交通機関・食事・宿泊施設)
についてのみ考えるのではなく、

日本人旅行者の「旅の目的」を考えることがマーケティングとして重要になっていますよね。

では、訪日外国人にとっての日本旅行での「旅の目的」とは?

<中略>

訪日外国人が実際にとった行動の80%以上を占めるのが
「日本料理・郷土料理」でした。

食事を取るという行為は当然必要になることなので、
日本人の私たちにとっては食べるものが寿司であれ天ぷらであっても
普段の生活の中で特になにも感じません。

しかし、外国人(ゲスト)にとっての寿司、天ぷら、焼き鳥にいたるまで、
それらは間違いなく日本食であって
日本に来たからにはぜひとも挑戦してみたいものなのだと思いませんか?
つまり、非日常!日本食を食べること が目的のひともいるはずです。
ゲストにとっては「本場もの」「オリジナリティ溢れる伝統料理」ですから。

とすれば、

【現在"観光施設"としては自他ともに認知されていない外食産業】

ですら、訪日外国人にとってはSIT旅行の対象になると思います。

数年先、日本の居酒屋チェーン店で
日本に旅行に来た外国人と仕事帰りのサラリーマンが
異文化コミュニケーションをしてても何も不思議ではありません。
もちろん、言葉が通じなくても「おいしい」を共有できれば十分です。

そして、その空間にこそ、真のホスピタリティが生まれたらいいなと思っています。


なんかちょっと自分の中で、原点に戻った感じ。な、1日でした。